知識は、
正しく使うためにある。
火災保険アカデミーが教えること。
そして、決して教えないこと。
私たちは、教育機関です。
申請の代行業者ではありません。
火災保険アカデミーは、契約者が
自分の権利を正しく理解し、正しく行使できるようにするための教育機関です。
申請の代行はしません。
保険金からの成功報酬も受け取りません。
そして、最終的な判断は契約者ご自身にあります。
私たちにできるのは、申請を代わりに行うことでも、契約者の判断を差し止めることでもありません。適正な申請を行うための知識と、不適切な申請をした場合にどのような不利益を被るかを、正確にお伝えすること。そのうえで判断していただくことが、私たちの役割です。
2026年7月、NHKクローズアップ現代で火災保険の不正請求が特集されました。空き家を悪用した保険金詐欺に加え、被災した方に水増し申請を勧め、その対価を受け取る業者の実態が取り上げられています。
こうした報道を受けて、私たちの立場をあらためて明文化します。これは新しい方針ではありません。アカデミーが設立時から一貫して会員にお伝えしてきたことを、公開の文書として残すものです。
そもそも私がこのアカデミーを立ち上げたのは、非常に難解な特約や約款を読み解いて、契約者側にもしっかり保険知識を身につけていただきたいと感じたからです。
ただ——逆に、そうして得た知識を "逆手に取って" 不適切な申請をすることは、絶対に止めましょう。
私のところに来るご相談でも、本当の事故経緯が "経年劣化" や "故意" であった場合には、認定されないばかりか、申請者の印象が悪くなるだけなので、考えて申請するようにアドバイスしています。最終的な判断は、あくまで契約者になります。
適正な申請を続けていくことが、長く続く賃貸経営において一番の王道だと考えています。
— カサイ学長(2026年5月・会員向けコメント/2026年7月 本人加筆修正)私たちがやること/5つの約束
難解な約款・特約を、契約者が自分で読み解けるようサポートします
アカデミー設立の原点です。保険は契約者ご本人のものであり、その内容を理解する権利はご本人にあります。
補償の申請モレを防ぎます
実際に被害を受けているのに、知識がないために申請しない。あるいは不十分な内容で終わってしまう。これも損失です。正当な権利の行使は、契約者が当然に持つ権利です。
判断に迷うケースは、一緒に事実を確認します
「これは災害によるものか、経年劣化か」。迷う場面は必ずあります。迷ったときに相談できる場所であることが、アカデミーの価値です。
申請すべきでないケースは、「やめた方がいいですね」とお伝えします
事故の経緯が経年劣化や故意によるものであった場合、認定されないばかりか、申請者の印象が悪くなるだけだとお伝えしています。最終的な判断は契約者ご自身にお任せしていますが、そのまま申請した場合にどのような不利益があるかは、はっきりお伝えします。
契約者が適正な申請を行える知識と環境を、提供し続けます
保険は信頼で成り立つ仕組みです。不正が増えれば審査は厳しくなり、本当に被災した方が困ることになります。適正な申請を広めることは、業界全体への貢献だと考えています。
私たちが決してやらない/5つのこと
申請の代行はしません
保険会社に請求するのは、常に契約者ご本人です。私たちが代わりに請求することはありません。だからこそ、ご本人が理解している状態をつくることに徹します。
保険金から成功報酬を受け取りません
アカデミーの収入は月会費のみです。受け取る保険金の額と、私たちの収入は一切連動しません。だから「多く取らせる」動機が、そもそも存在しません。
「保険会社にこう答えなさい」という応答マニュアルは作りません・配りません
事実と異なる回答を促す指示書は、契約者を詐欺に引きずり込む道具です。私たちが教えるのは事実を正確に伝える方法であって、審査の通し方ではありません。
経年劣化・故意の損害を「災害被害」として申請する方法は教えません
これは知識の悪用です。一度認定されても、後日の返還請求・契約解除・刑事事件化の事例が実在します。最終的な判断は契約者ご自身になりますが、そうした申請でどのような不利益を被るかは、包み隠さずお伝えします。
「必ず下りる」「保険金で無料修理できる」といった保証はしません
認定の判断は保険会社が行うものです。結果を保証する表現は、それ自体が不誠実だと考えています。
申請前の4つの問い
申請書を出す前に、この4つにご自分で答えてください。
これが、適正な申請と不正な申請を分ける線です。
その損害は、特定できる災害・事故で生じたものですか?
- いつの、どの災害(台風・雹・大雪・落雷など)によるものか、言えますか
- 「たぶん、いつかの台風」では答えになりません
申請する内容は、起きたことをそのまま伝えていますか?
- 発生した時期・原因・被害の範囲。この3つを事実と変えていませんか
- 「そう言った方が通る」という理由で変えた点は、1つもありませんか
見積は、実際に被害を受けた箇所だけですか?
- ついでに直したい箇所、前から傷んでいた箇所が混ざっていませんか
- その被害を直すために必要な額になっていますか
誰かに「こう伝えろ」と指示されていませんか?
- 業者から回答例やマニュアルを渡されていませんか
- 自分の言葉で説明できない申請は、自分の申請ではありません
迷った状態のまま、出さないでください。出してしまった後では、取り返しがつきません。
ケース別の目安
○ 正当な申請(契約者の当然の権利)
- 台風の通過後、飛散・破損した屋根材や板金の損傷を申請する
- 雹(ひょう)によって外壁・カーポート・屋根に生じた打痕を申請する
- 大雪で雨樋やカーポートが変形・破損した損害を申請する
- 落雷により電気設備が故障した損害を申請する
- 給排水設備の事故による水濡れ損害を申請する(契約内容によります)
被害を受けているのに、知識がなくて申請しない。それも損失です。正当な権利は、行使してください。
× 不正にあたる申請(絶対にしない)
- 何年も前から傷んでいた箇所を「先日の台風で」と申告する(経年劣化の偽装)
- 壊れていない箇所まで修理範囲に含めて請求する(範囲の水増し)
- 損傷を自分で作る、または業者に作らせる(故意)
- 業者に渡された回答例のとおりに、事実と違う説明を保険会社にする(虚偽の申告)
- 空き家を「居住中」と偽って保険契約を結ぶ(告知義務違反)
- 実際の被害額より大きい見積書を作らせ、差額を受け取る
? 自己判断せず確認する(グレーゾーン)
- 台風の後に気づいたが、いつからの損傷か自分では分からない
- 経年劣化と災害の影響が、両方混ざっている可能性がある
- 以前に申請した箇所と重複している可能性がある
- 被害からかなり時間が経っている(請求権には期限があります。契約内容をご確認ください)
- 業者が「これも入れておきましょう」と言ってきた箇所に、心当たりがない
※上記は一般的な考え方の目安です。実際の判断は、契約内容・被害状況・保険会社の調査により異なります。
「不正だとどうなるか」を、
先に知っておいてください
軽く考えられがちですが、実際に起きることは重いものです。
保険金の返還
受け取った保険金の返還を求められます。
保険契約の解除
以後は無保険の状態に。本当に災害に遭ったときに、1円も出ません。
刑事責任
悪質と判断されれば、詐欺罪に問われることがあります。
最も重いのは、2番目です。
目先の数十万円のために、賃貸経営の生命線である保険そのものを失う。これは経営判断として、明確に割に合いません。
こんな勧誘には、警戒を
災害の後、こうした業者が訪ねてくることがあります。1つでも当てはまれば、いったん立ち止まってください。
- 「保険金を使えば無料で修理できます」
- 「保険金が下りなければ費用はかかりません」
- 保険金の数十パーセントを、成功報酬として求めてくる
- 「保険会社にはこう答えてください」と、回答の内容を指示してくる
- 被害箇所を、自分が思っていたより明らかに広く見積もる
- 契約を急がせる/その場でのサインを求める
- 解約時の違約金条項がある
なぜ「業者選び」が自己防衛になるのか。
不正請求への対策が進むなか、保険会社の審査は年々厳しくなっています。不適切な申請を繰り返す業者が関わった案件は、当然ながら厳しく見られることになります。
つまり、問題のある業者と関わることで、あなたの正当な請求まで疑われるおそれがあるということです。業者選びは、もはや自己防衛の一部です。
業者とのトラブルや不審な勧誘は、消費者ホットライン 188 に相談できます。
正しく知っている人だけが、
正しく使える。
約款を読み解く力。被害を正しく把握する力。そして、やめるべきときに、やめる判断力。
火災保険アカデミーは、その3つをまとめて身につけられる場所です。
迷ったときに相談できる窓口があることも、会員特典のひとつです。
